「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」ストーリーテーブル
■最初の情報は水の音。LCLか
→ 実はカラーのロゴマークでの「帰ってきたウルトラマン」の引用こそが、観客への最初の情報
■脱走した第3使徒を仮設5号機が殲滅
■シンジとゲンドウが墓参り
→ 父さんと来れてよかったというシンジに対し、ゲンドウの「そうか」。この「そうか」の演技が実にいい。意識的にテレビ版と聞き比べてみたが、虚をつかれた父親の温かみがある
■シンジとミサトが自動車で帰路に。第7使徒と遭遇
→ 車窓の背景はわりとわかりやすいCG
■第7使徒戦
→ 艦隊の壊れ方が楽しい
→ 背景が空だけで済む空中戦だからか、カメラワークがダイナミックですばらしい。暗い地下通路での第3使徒戦との好対照
■アスカ顔見せ
→ 会話が噛み合ってなくてもとりあえず「あんたバカァ?」を発声。よいね。アスカの表情は基本険しい。同居への緩衝材として、アスカの難ありな性格を危惧するミサトの表情
→ トウジとケンスケがいるのはこいつら懲りずにまたシェルター抜け出してきたのか
■司令室にて、ゲンドウ、冬月、加持の対談
→ 加持はネブカドネザルの種(?)を運搬しただけでなく、マーク6の情報も仕入れてきている
■リツコと加持の会話中にミサトが乱入
→ 学生時代からの知り合いである三人の関係性を提示
■シンジが帰宅すると、大量の荷物とアスカが
■レイが自室で薬を服用
■アスカ風呂からハダカで出てくる天丼
■アスカは自室で人形遊び、シンジはゲンドウに電話をかけるが通じない
■朝。出勤する人々(とマヤ)。学校で級友を蹴るアスカ
→ 日常(出勤風景)と非日常(生えるビル群)の交錯がいい感じ
→ 「太陽を盗んだ男」はここね(http://www.youtube.com/watch?v=vbI1rPRlARM)
→ 音楽の使い方がタランティーノぽくて驚いた。タラちゃんとエヴァをセットで語るのはもともと容易なオタトーク初級編
→ いやごめん、タランティーノぽくないわ、訂正。サントラのブックレットによれば今作に使われている「YAMASHITA」は完コピでカヴァーしたものだという。タラちゃん的美意識でいえば、そこは原典をサンプリングが正解だろう。よって両者の引用は、似て異なるものである
■ミサト宅にて海洋研究所への社会科見学の話題
→ この時点でシンジと加持が接触するシーンが(読者的には)ないので、やや違和感
→ 「式波さん」は加持には執着はない模様
■月面タブハベースをゲンドウと冬月が視察。カヲルの「お父さん」発言
→ マーク6の中身は旧エヴァ地下の巨人と同じ仮面をつけてる
→ 「5号機以降はないはず」と冬月が発言。旧エヴァ世界を意識させる
■海洋研究所のシークエンス。はしゃいだ後、シンジとレイの対話、弁当
→ 旧劇場版の白ウナギっぽい深海魚を見たアスカが「気持ち悪い」と一言。という妄想
■宇宙。シャトルから南極を見下ろすゲンドウと冬月
→ お弁当と宇宙の画が繋がる。これが許される映画
→ 宇宙は本来秩序、混沌に見えるのは人がそう見ているから。「人の心が世界を乱す」発言
■海洋研究所の屋外でシンジと加持の会話
→ 旧劇場版ライクな波打ち際のカットあり。青い海、ただし人工の浜辺
■ミサトはなぜ来なかったのか、の話題からセカンドインパクトの話に
→ 四本の槍、四体の使徒?
■第8使徒、襲来
■作戦室で敵の特性の紹介
→ お偉方はすでに逃げてます→ヘリの群れに妙にニヤニヤしてしまう
■倉庫でミサトとリツコが対話。作戦に反対するリツコ
■ハンガーにてパイロット三名に作戦説明
→ アスカ「人類を救うくらいあたしひとりで充分」
■エヴァ三機のスタンバイ
→ シンジ、コクピットの匂いについて言及
→ コクピット内の三名の顔が抜かれる際のアスカの自信に満ちた顔が印象的
■第8使徒戦
→ 鉄塔と電線に気を使う(が、これらは第9使徒戦で破壊されてしまう)
→ とにかく初号機をアシストするギミックがすばらしい。第三新東京市を一番うまく使えるのはオリジナルだけ!
■戦闘後、褒められるシンジ
→ パイロット三名とも戦闘後の疲れた様子が映される。アスカが最後
■夜、眠れないアスカがシンジの部屋に
→ 上からの流れ
→ アスカと呼ばれる代わりにあたしはバカシンジと呼ぶ。ここすばらしい。かつてのふたりを取り戻すかのよう
→ ピロートークなのにシンジさんはファザコン発言。でも「あんたバカァ?」判定を下さないアスカの優しさ。よいね
■学校。弁当なくて夫婦喧嘩するシンジとアスカ
→ レイがこっち見てる……
■翌日か。弁当を四つつくるシンジ
■学校で弁当を食べるアスカ。ヒカリの登場。シンジから弁当を渡されたレイの「ありがとう」
■ネルフの休憩所。加持にコーヒーを渡されるミサト
■夜。自室のベッドで「ありがとう」を反芻するレイ
→ 「あの人にもいったことないのに」発言。上司を「あの人」ってやらしいな
■学校。欠席する綾波
■ネルフ中枢(?)でタンキング中のレイ
■レイとゲンドウの食事
→ ニヤニヤが止まらないシーン
→ 奥に立っている男の影がギャルソンか冬月かで笑いの大きさが違うな
■破損した初号機の修繕
→ バチカン条約についての発言。政治談義
■学校の屋上。マリストライク
→ アスカもマリも新しい女の子は空から降ってくる
→ LCLはいい匂い(≠取れないや、血の匂い)
→ パラシュート抱えて退場するのがバカっぽくていいなー
→ パラシュート脇にどーもどーもと校内を突っ切るマリ。なにあれーと声優のガヤ声。パラシュートの型式に目ざとく反応しアーミートリビアを披露するケンスケに呆れるトウジは「せやけどえらいベッピンさんやったなー」。それ聞いたヒカリがムキムキ
■ネルフの自販機コーナーで加持にデートに誘われる
→ 25〜26曲目でループしてたSDATが、マリアタックを食らって27に
→ 加持がコーヒーで人を釣るのは今作二回目
■スイカ園で加持とデート。ミサトを託される
■夜。自室で包丁を握るレイ
→ 猟奇。
→ レイが自室にいるシーンはここまですべて夜
■朝の学校。レイの「おはよう」発言に沸く教室
→ 迷わずレイを気遣うシンジさん。レイともアスカとも心を通わせるシンジさんに教室の地味男子たちからの嫉妬ビームの嵐を心配してしまうぜ
■自動車内でミサトとリツコの会話。レイの変化のきっかけは?「愛」「ありえないわ」
■ミサト宅でアスカが料理
■アイキャッチ
■4号機が消失
■風呂場で連絡を受けるミサト
■作戦室、司令室、盗聴する加持と、4号機についての情報公開
→ 電源装置に代わるうんぬんとあるから、S2機関的ななにかを搭載しようとしていた模様
■シンジ、トウジ、ケンスケがアイスを買い食い。夕方バスケ
■マリ、渡り鳥をみあげる
■ゼーレの面々とゲンドウの会談
→ ゼーレ:初号機も0号機も要らない。真のエヴァンゲリオン(=マーク6?)とリリスの復活が急務
→ ゲンドウ:初号機の覚醒が急務
→ ゼーレの面々が消えたあと、会談はテレビ電話にすぎないと、グリーンバックを明かす演出はテレビ版にはなかった気がする
→ てか「イノセンス」で見た
■2号機封印
→ あたしにしか動かせないというアスカに対し、戦術兵器なのだからパイロットも含めてバックアップはあるとリツコ
■エレベータでアスカとレイ一騎打ち
→ 今作の「速度」を感じられるシーン
→ 「エヴァに乗らない幸せ」はTV版最終話を幻視させる
■シンジ、自室でお食事会の招待状を眺める
→ BGMは懐メロ
■ダミーシステム付きのプラグを初号機に換装
→ ダミーシステムは無人でもATフィールドを展開できるらしい
■居酒屋でミサトと加持が密会
■アスカが自室でお食事会と3号機の試験が同日であることに気づき、どこかに電話をかける
→ 開封に使ったと思しき机の上のカッターナイフは、真っ赤なカラーリング。もちろん旧作2号機のプログナイフを幻視
■3号機到着のカット
■医務室でリツコとレイの会話
■ミサトに送られる車内でアスカがレイからのメッセージを受ける
→ レイの「ありがとう」発言だが、初見でも二回目でもアスカが自主的に3号機試験に立候補したことがよく飲みこめなかった。でもアスカが電話をかけるシーンで、相手や話題まで開示しちゃうとドキドキが薄れるよな
■学校。トウジがいないことにシンジが気づくが、トウジは小田原(たぶん)の病院に妹を迎えにいっているだけ
■松代の試験場、ミサトに守秘回線で電話がかかってくる。搬送中のアスカとやりとり
→ アスカって年上の同性とからんでるイメージがなかったので新鮮。てかミサト役得
→ ミサトはアスカに、加持はシンジ(たち)に、それぞれ広い世界をみろという。今作では世代で役割が決まっているのかもしれない。やたら昭和歌謡曲がかかるのも「セカンドインパクトによって文化的断絶があるから」という設定?解釈?があって、とても好きなエヴァへの見解
→ あとアスカのスケスケスーツは旧作のドラマCDにその手のネタがあった、らしい
■「そっか。私、笑えるんだ」
→ アスカの3号機搭乗は、今作でも1、2を争う優れたアイデア。このおかげでかなり脚本をコンパクトにできている。既視感のあるアイデアではあるが
■3号機に異常発生。リツコ「人でなくなる」発言
■シンジ、ゲンドウ、レイの元に凶報が
→ お食事会のために用意されたお茶碗が切なすぎる
■第9使徒戦
→ 初号機と3号機の左右の位置関係が繋がってないカットがあった気が
→ これ、イマジナリーラインを超えちゃってるのね。しかもTV版からそうだったことを確認
→ ダミーシステムによってハンドルがロックされる演出は細かいがよいクオリティアップ
→ あと前方が見えないコレ、映画館で背の高い人が前に座ってるときを連想する
→ ダミーシステム解放のタイミングでBGM「今日の日はさようなら」
■戦闘終了。松代のミサトが目を覚ます
■ネルフ本部のピラミッドの上に屹立する初号機
→ 初見のときはアスカとレイの役割を使い切ったので「破」はここで終わりだと思った
→ 本部を足蹴にするのはEOEの砂場の幻視シーン
→ と思いきや、ブーメランパンツで地団駄を踏む芸人某を幻視する視聴者続出。「そんなの関係ないっていってるでしょぉぉぉ」
■シンジは意識を失い、夕焼け電車のインナービジョン
→ SDATがゲンドウの持ち物だったと明かされる。コレ、今作でも3番目くらいに優れたアイデア
■知らない天井天丼
→ 今回は黒服のおまけつき
→ 前回「序」ではレイが、それまでとの展開とは違うことを宣言するかのように枕元にいた
■精神汚染を受けたアスカが隔離される
→ 初見時、あれなんだ生きてんじゃん? 生きてりゃ復活なんてどうにでもなるじゃんと、多少拍子抜け
→ むしろLCLに溶けて消えたぐらいのことかと思ってた
■司令室でシンジとゲンドウの会話
→ ゲンドウ「大人とはあらゆる困難を除外して願望を叶えるものだ」「大人になれ」
■レイ、SDATをゴミ箱から拾う
■ミサト宅の玄関でシンジとミサトのやりとり
→ 相原くん? あい、はら、くん……?
■シンジ電車に乗っているところに警報発令。「使徒だ」
■封印されてた2号機、月面のマーク6と、マリとカヲルがスタンバイ
→ 初見のとき、アスカのことを想い悔しさに歯噛みしたシーン。お前らなんか部外者のくせにいいところ持ってこうとしやがって! みたいな
→ 正直、初見のとき、マリの役割を使い切ってないにも関わらず第9使徒で劇終と思いこんでた自分がよくわからん。それだけ異物だってことかね
→ マリは第3使徒戦で腕を怪我しており、シンジとの邂逅時にも腕に包帯がみえたが、ここでそれを取り去っている。レイ要素なんてもう要らんのよとでも言いたげで、ますます畜生と思う
■ミサト、本部への降り列車で2号機とすれ違う
→ この上司いっつも有事に本部にいねえよ
■第10使徒戦、2号機。遠距離攻撃も近距離攻撃も効かない
■ダミーシステムを受け付けない初号機
■第10使徒戦、ビースト2号機
→ ここ感心した。サル・ヒト・コンピュータをセットで語ってカミへと至るお話(例:2001年宇宙の旅)になろうとしているのかと思った
→ 旧作ファンの中には制御棒を解放したビジュアルからジェットアローンを幻視できる人もいるようだ。美談だね
■第10使徒戦、0号機特攻
■シェルターでひとりぼっちのシンジ。敗北した2号機がやってくる
■2号機の掌から見た絶望
→ ここの浮遊感よい。「序」での射撃直前にも似た浮遊感があった
→ 「そうやっていじけて」いるうちに、世界が滅んでしまうのがエヴァンゲリオン。孤独な個人がいじけているうちにみんなが笑顔で前進するのが形而下フィルム外のぼくらの現実
■0号機食われる
→ 今作でも1、2を争う優れたアイデア。捕食イベントを敵味方入れ替えるという単純ながらインパクトのある画で、しかも脚本を一気にEOEまで飛翔させるという。マジ脱帽。天晴。すばらしい
→ 足だけ残されてる嫌な絶望感
■「逃げろ」というマリに対し走るシンジ
■「エヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!」
■第10使徒戦、初号機
→ ここのリズムはテレビ準拠
→ オリラジあっちゃんも大好き血がゲンドウにバシャーは、テレビ版のほうがカッコよかった気がする
→ テレビ版再放送で見返した。ほぼ変わらなかった。あれー?じゃあ俺のカッコイイバシャーはどのソースから引っ張ってきたんだ。シト新生にあったか。脳内熟成か。マンガ版をカッコよく読んでたのか。個人的には三番目の理由が美談だが、はて
■活動停止後、シンジの意志で再起動する初号機
→ TV版では猛攻する初号機が活動限界を迎えたと同時にBGMがストップし、ハプニング発生を無音でもって演出している。が、読者が活動限界を予め知っている今作では、初号機が止まる程度のことではBGMは止まらない。非常に新劇場版的な、今作を象徴する演出
→ なくなった左腕は再生するのではなく、ATフィールドを腕状に使用
→ 目から怪光線、天使の環と、使徒化する初号機
■レイ救出
→ 「翼をください」は劇中の台詞と重なっているところでは気にならないが、台詞がなく歌詞が前面に出てくるシーンではやはり違和感。マリの存在よりよっぽど違和感
→ 一連のムードは「甘き死よ、来たれ」ライク
■カミ化する初号機
→ リツコ先生のよくわかるエヴァ教室
→ 願いを叶える、が今作の最重要ポイントで、ゲンドウや冬月あたりにそれに繋がる台詞をかなり喋らせている
→ 今作のループは「誰の願いが叶い」「誰の願いが叶わなかった」世界なのか?
→ エヴァ以降もっともエヴァっぽく後にエヴァとも縁のあったフィクション「高機動幻想ガンパレード・マーチ」を連想
■エンドロール
→ 歌詞が妙にマッチングしていて驚く
→ アレンジバージョンってのは、今作らしいし、旧作らしい
→ 脚本協力に榎戸洋司氏の名前が。なるほどねー
→ 脚本協力に薩川昭夫氏の名前が。妙にうれしい
→ 本来なら褒めるべきでもない(また実際、私の観測範囲でも誰も褒めていなかった)今作の美点は、役者を専門の声優で固めている点だ。いまや我々はリメイク作品といえど本来は声優でない人間が採用される現実を知っている。今作が専業者だけで一本のアニメーション映画を達成できたことを、今作が自主資本で成り立っているインディーズ映画であることと結びつければ、我々は灰色の資本主義を叩くせいぎのつるぎを手にすることもできる
■空から槍が降ってきてストップ・ザ・EOE
→ ミサトがすげえナイスリアクション
→ マーク6の頭上にも天使の環
■次回予告
→ 眼帯アスカの出番はオオトリ
→ もちろん塞がっているのは左目。これも旧作幻視